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2022年09月26日

学生向けイベント

開催報告

2022年09月14日(水)~2022年09月16日(金)開催海洋開発現場体験セミナー:海洋環境調査フィールド実習 in 下田

セミナーの目的

日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムでは、海洋開発人材の育成のため、海洋開発に関連する講義と現場視察を組み合わせたセミナー等を実施しています。
洋上風力発電や海洋資源開発など、海洋の利用は日々拡大しています。海洋利用を持続可能かつ環境に調和させて実現していく上で不可欠となるのが海洋環境調査です。海洋環境の調査においては、その対象項目は多く、観測、分析、解析、数値計算手法を用いた予測や評価に至るまで、多くの知識、技術、経験を必要とします。本セミナーでは、特に海洋環境調査に焦点をあて、参加者は実際の機器を使いながら、データ解析に挑戦しました。

開催概要

主 催 日本財団 オーシャンイノベーションコンソーシアム
協 力 東京大学大学院新領域創成科学研究科
株式会社 ウインディーネットワーク
開催日時 2022年09月14日(水)~2022年09月16日(金)
開催場所 静岡県下田市

参加学生の体験談

北海道大学

佐々木 勇人

本セミナーでは自身の研究しているスマート水産業における機器開発・運用といった観点から、最新鋭の機器を体験することができた。研究室に所属してから初めてセミナーへ参加したが、配属前とは違った視点で海洋開発を考えることができ、特に水産業と海洋開発の関わりについて、資源管理や漁場管理の点から、今回使用したような機器の運用が重要になってくると感じた。今後の発展が期待される分野に触れる貴重な体験でした。このような機会を用意してくださった関係者の方々に感謝いたします。ありがとうございました。

神戸大学

花登 瞭

今回参加させて頂いたこのセミナーで個々の力とチームの力を感じることがありました。僕は海洋環境の分野は専門外で完全に初学者でした。ですが他の参加者の方のプログラミングスキルやプレゼン作成力をお借りして置いていかれる事なく発表をやり遂げることが出来ました。また得られた解析データは難解なものでしたが、チームで意見を出し合いながら自分たちの考察を作り出すことが出来ました。海洋開発はそれぞれが粒として立ちながら密集することでまだまだ未開のフロンティアを歩んで行くものだと感じられた貴重な経験でした。

北海道大学

村田 隆元

本セミナーの開催にあたりご尽力頂いた関係者の皆様、貴重な機会をいただきありがとうございました。今回の体験で印象に残ったのは、機器の使用からデータ処理までを体験したSSSの取り扱いでした。SSSは現状、世界一効率良く海底の様子を撮影できる装置であると伺いました。しかし、そんな最先端の裏では設置や安全の為に生身の人によるアナログな努力があるのを見られたのが印象的でした。その後のデータ処理では、不足の事態で手間取っていた時にTAの方がプログラムを作り対応していたのを見て、道具を使いこなし、即座に使える姿がかっこいいなと感じました。現在自分は学部3年で基礎的な勉強が中心ですが、疎かにせず、日々自分の扱える道具を増やせるよう今後も頑張っていきたいと思います。

京都大学

川亦 正哉

"ROV", "SSS", "CTD"...。いずれも参加前には馴染みも聞いたこともないような単語でしたが、本セミナーを経てこれらの技術に慣れ親しむことができました。日々進歩する科学技術、ニュース等で取り上げられるのは「AI」や「機械学習」...と、解析の基礎となる情報技術自体の内容が多いように感じます。そこで用いる情報をどのように取得してくるのか、という点に触れられることは少ないのではないでしょうか。本セミナーは、最新観測装置(データ取得装置)を使用し、そこで得られた生のデータを触るところまで経験でき、浅い理解を深い理解へ繋げるための良い機会となったと感じております。

東京大学

小竹 基弘

今回のセミナーを通じて、海洋調査で実際に行われていることや、そこから知ることのできる情報の一端に触れ、海洋調査の現場がどのようなものかを知ることができた。また、さまざまな視点や経験を持つ他の参加者とのコミュニケーションを通じて、新たな学びや刺激を得ることができ、大変貴重な経験になった。

崇城大学

野口 秀幸

普段関わることができない人たちと友達になることができてよかったです。その中で様々なことを教えてもらったり、また自分の専門分野の知識等を教えたりし、その上で一緒に考えることで新たな発想をすることができてとても勉強になりました。グループワークでは皆やる気があり、十人十色に良さを感じることができました。そのためそこを真似たいと思います。また私は機械工学科で、海のことはさっぱりわかりませんでしたが、先生方や友達達に様々なことを教えてもらい、とても見聞が広げることができました。イベントの主催者やスタッフの方々、そして一緒にイベントに参加していた皆さんに感謝いたします。

東京大学

濱田 良太

今回のセミナーに参加したことで、海洋環境調査について、観測機器の開発、実際のフィールド調査、得られたデータの解析までの流れを学ぶことができました。海洋環境調査の流れを一通り理解できたことは海洋系の研究をしている私にとって大きな財産になりました。海洋環境調査について知識がなかったため参加前は不安に思っていましたが、運営の方々が丁寧に教えてくださり、またチームのメンバーと協力して取り組んだことで、最終日の成果発表では充実した内容を報告することができました。全国から集まった様々な専攻の方たちと実際に海洋の現場で学ぶ貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。

東京大学

田口 新風

船や海に興味がある一方で、海洋環境調査についてはあまり馴染みがなく、どういうものなのか知りたいと思い、参加しました。この実習を通じて、海洋環境調査では、何をどのように、またどのような機材を使って調査するのかを身を以て実感することができ、とても良かったです。さらに、海洋環境調査が様々な海洋利用につながる重要な分野であることが分かりました。美しく雄大な伊豆の自然の中で、海の幸や温泉を楽しみながら、最新の研究・調査を学べる贅沢な3日間でした。

高知大学

松下 誠

今回は非常に貴重な体験やお話を聞かせて下さり、ありがとうございました。海洋開発分野で働きたいと思っていたのですが、これまで洋上での授業はあまりなく、海洋開発のイメージも湧きにくかったです。しかし、この3日間で海洋開発の現状や課題について普段の講義よりも深く考える機会を頂く事が出来ました。また、周りの参加した学生も非常に素晴らしい意見を言っている人が多く、大変良い刺激を受けることが出来たと思います。日本財団の方や東京大学の教授、ウィンディーネットワークの方々など参加学生よりも多くの人の支えがあってこのような貴重な経験が出来たと思います。そのためまずは2週間後から始まる研究室での活動で今回の学びを活かし、尽力する事で今回サポートして下さった方々に恩返ししたいです。

木更津工業高等専門学校

上田 麟太郎

海上でのデータ測定から解析まで、一貫して経験することができ、大変貴重な体験となりました。特に、海でのフィールドワークは、論文を読んでもわからないデータ測定の難しさ、また試行錯誤する面白さを知ることが出来ました。加えて,先生方や修士の学生、同参加者の学ぶ姿勢は、大変刺激を受けました。自分にない物事の見方や考え方、経験の差を大いに感じました。この“劣等感”を今後の研究や勉強の原動力にしていきたいと思います。

東京海洋大学

小林 亮太郎

初めて学外のセミナーに参加して、実際に調査やデータの解析を行うとあって、参加時はとても緊張していましたが、同じ参加者とも二泊三日の過程をともに過ごすことでかけがえのない出逢いになったと思います。また、今まで、海について学んできたが、知識はあっても実際にどのような機器を扱うのか、どのように調査解析するのかを実際に体感することで、今後海について研究するモチベーションになったり、実際の研究活動をイメージして学ぶことができるようになったと感じました。とても有意義な3日感だと思いました。

スケジュール

  • 2022年
    09月14日(水)

    13:00頃
    静岡県伊豆急伊豆急下田駅に集合
    リゾートオフィス風未来へバス移動
    13:30-14:30
    オリエンテーション・自己紹介
    海洋調査技術研究所 施設見学
    ※ROVやサイドスキャンソナーなど、最先端の海洋調査機器が管理されている施設を見学します。
    16:00-17:00
    調査機器の操作説明・動作確認
    ※フィールド実習で利用する観測機器の操作および動作確認を実施します。
    17:30
    ホテルチェックイン(ホテル河内屋
    夕食・自由時間
  • 09月15日(木)

    8:00
    リフレッシュスポット風未来へバス移動
    8:30
    2班に分かれてアクティビティ
    アクティビティA: 海洋物理+昼食セット(4時間)
    ※フィールドの流れ場を理解するために電磁流速計や漂流ブイを用いた流況観測、CTDによる鉛直プロファイルの観測などを実施します。
    ※CTD = Conductivity Temperature Depth profiler(電気伝導度,温度,水深を観測する装置)
    経過時間 内容
    0:00-0:30 出航準備
    0:30-2:45 漁船に乗船し計測(2hr,複数地点)
    ●流れ: 電磁流速計
    ●成層: CTD
    ●波: 波浪計
    ●風: 超音波風速計
    2:45-3:15 帰港・データ回収
    3:15-4:00 昼食・休憩@リゾートオフィス風未来
    アクティビティB: 海洋環境調査(4時間)
    ※フィールドの海底環境を把握するために最先端の観測機器を利用して海底の生態調査などを行います。
    SSS: Speedy Sea Scannerの略。東京大学が開発したカメラアレイシステムで広域の海底写真や高精細な3次元地形図が作成できる。
    経過時間 内容
    0:00-0:45 移動
    0:45-1:15 出航準備
    1:15-3:15 漁船(2hr)
    ●ROV with 水質センサー、海底調査(画像で)
    ●地形調査(ドローン)
    ●SSSを曳航する
    3:15-4:00 移動
    17:00頃
    ホテル着(ホテル河内屋)
    18:00
    夕食
    19:00
    データ解析・プレゼン作成
  • 09月16日(金)

    8:30
    チェックアウト・集合・バス移動
    9:00-10:00
    発表最終準備
    10:00-11:00
    発表(30分×2チーム)
    11:00-11:30
    フィードバック・総括
    バスにて伊豆急下田駅へ
    12:00
    解散

担当講師

東京大学大学院新領域創成科学研究科の以下の講師が皆さんの学びをサポートしました。

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